季節、予定、体調、気分によって人の生活は日々変化します。
生活は呼吸や心拍が続くように、続いています。
介護員にとっては交代のある勤務ですが、
重度訪問介護利用者にとっては生活はずっとつながっていて、介護員の交代ごとに区切れるものではありません。
食事の途中、移動の途中、コンサートの途中、話の途中など、計画の時間通りでは
交代が不適切な場合がほとんどです。
人の生活を時間で区切るには無理があります。
この部分をより自然に行う為に、てくてくでは“バトンゾーン”なるものを作りました。
陸上競技のリレーのバトンゾーンをイメージして、介護員の交代時間帯を設けています。
たとえば、ある15時交代の日。
バトンゾーンは14時から15時です。
ほぼ全員が月給制の正社員なので、これもアバウトでOKです。
連絡後に遠くに移動すれば15時が16時になる場合もありです。
14時17分に利用者様の携帯から事務所に電話が入ります。
14時からバトンゾーンで事務所待機している、次の時間帯の介護員宛てです。
待機の介護員は直接電話に出ずに留守番電話に録音された内容を聞きます。
内容は留守録に記録されます。留守録の内容は紙面に記録をして取り置きます。
留守録はこの後の介護員たちも聞けて、この時間帯の様子を知ることができます。
電話は、利用者様と一緒に介護員が話します。
現在の状況の報告があってから
「本日の交代は◯◯周辺でお願いします。もし移動する場合は、また連絡します。」
内容を聞いた待機介護員は、利用者様の携帯宛てにメールで返信します。
「留守録を聞いたこと、◯◯周辺には14時45分~15時の間に到着できること、
もし会えなければ外の公衆電話から事務所の留守録を聞いて、移動の様子を確かめること」が内容です。
利用者様の携帯電話には、メールの読み上げ機能があります。
利用者様は、◯◯周辺から移動した場合、そのことを携帯電話から事務所の留守録に預けます。
◯◯周辺で会えなかった待機介護員は、外の公衆電話から事務所の電話を操作し留守録を聞いて対応します。
交代した介護員は、無事交代できたことを公衆電話から事務所の留守録に預けます。
これも、後で記録として紙面に残します。
介護員は仕事の時間に自分の携帯電話は持ちません。
サービス提供時間内は、利用者様が自分の携帯で通話したりメールを打ったりします。
利用者様と一緒に介護員が通話したりメールを打ったりします。
バトンゾーンでの公衆電話代はもちろん事務所負担です。
介護員が仕事中に必要な連絡に関して自己負担することはありません。
「介護員と家で交代予定だから早く家に帰らなくちゃ!」
「○時までに交代場所に急いで行かなくちゃ!」
あるあるな場面ですが、重度訪問介護を利用しているからと言って受け入れなくてはならないことは無いはずです。
これが、利用者様の生活に、介護員の交代ができるだけ影響しないように考えた形です。
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