中野区長殿
福祉部長殿
障害福祉課長殿
要望書
件名 知的障害者のガイドヘルパー派遣制度の創設について
趣旨  知的障害者といわれる方々を対象に、ガイドヘルパー派遣事業を実施してください。
(地域社会で日常生活を送る為に、意思伝達や相互理解などにおいて他社の助けを必要とする方々に、本人の要請に基づいて自立の為の支援者を派遣する事業を実施してください。)
理由 1、自立を支えていくのに必要なのは、物ではなく人なのです。
      
 知的に障害を持つ方々が1人の人間として社会の中で自立して生きていくためにはガイドヘルパーは必ず必要です。
視覚障害者の方々には白杖・盲導犬・盲人ガイドヘルパーの派遣があり、歩行が困難な方々には補聴器・手話・手話通訳者・手話通訳奉仕員の派遣・文字放送があるというように、各々の障害を持つ方々の日常生活は支えられています。
 知的障害者のガイドヘルパーとは、それらの方々と同様に、知的に障害を持つといわれる方々にも、本人の必要としている自立のための支援をし、当り前の日 常生活が、今暮らしている地域で出来るように手伝う人の事です。その人は、助言者であり、友人であり、通訳者であり、介助者であり、黒子として本人の手足 口になります。このように、知的に障害のあるといわれる方々にとって、視覚障害を持つ方々の点字、歩行が困難な方々の車椅子、聴覚障害を持つ方々の補聴器 に匹敵するものは物ではなくて人なのです。
2、知的に障害を持つ方々本人への試作は、他の傷害のある方々本人への施策より遅れています。

 現行の制度にある事業、盲人ガイドヘルパーの派遣、車椅子ガイドヘルパーの派遣、聴覚障害協力員、手話通訳者、手話通訳奉仕員の派遣は、その家族を支援 するものではなく、障害を持つ本人の自立を支援するものです。しかし、現在、知的に障害を持つといわれる方々本人の自立を支援するものは何もありません。 ホームヘルパーの派遣や緊急一時保護は家族や保護者の為のものでしかありません。このような現実を見ると、知的な障害を持つといわれる方々本人への施策 は、他の障害を持つ方々への施策に比べて遅れているといわざるを得ません。
3、知的に障害を持つといわれる方々も、どんなにその障害が重くとも1人の人間として生きる基本的な権利は認められるべきであり、これを推し進める為にも公的な支援が保障されるべきです。

 知的に障害を持つといわれる方々、特にその障害が重いといわれる方々は、親や学校・作業所・施設の教職員に保護・管理される対象であって、1人の人間して自立して生きることを支援する対象とは認められていないのが現実です。
 しかし、知的に障害を持つといわれる方々も、その障害の重い、軽いにかかわらず、障害者である以前に1人の人間であり、自らの意思で物事を決定し、一市 民として主体的に自らの人生を生きることが出来る権利を有しています。これは最も基本的な人権に関わることです。この理由からも、この事業は公的に支援さ れ保障される必要があるものと考えます。
 真の自立とは学校・作業所・施設といった限られた環境の中だけの自立ではなく広く社会の物や人との多様な関係の中での自立であるべきです。それを実現するのが知的障害者のガイドヘルパーの派遣事業なのです。
 以上の理由を以って、お願いしたい事業は、家族を介護から解放するためのものではなく、知的に障害を持つといわれる方々本人を支援することで、彼らの真の自立を実現するという、これまでの福祉行政には欠けていた部分を補うものであると考えます。
 なお、今年5月30日に東京障害者施策推進協議会から「地域における障害者の自立生活支援システムの構築としての基盤整備のあり方について」と題する提 言が出ました。その中では、「障害者の自立」を「どんなに障害が重くとも、必要とするサービスを利用しながら、地域社会の中で主体的に自己表現を図ってい くこと」として、「地域福祉の推進」が今後の方向であるとしています。                                          
以上
1996/9/10 中野自立支援ネットワーク
佐々木 陽子

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